佐喜眞美術館

Sakima Art Museum

第一次世界大戦100年 ケーテ・コルヴィッツとジョルジュ・ルオー展

「平和主義を単なる反戦と考えてはなりません。それは一つの新しい思想、人類を同胞としてみるところの理想なのです」――ケーテ・コルヴィッツ

「人が精神的躍動をもはや信じないとき、そして物質的な力があまりにしばしば明らかに、または偽善的に勝つとき、原子爆弾が新しい偶像になるのではないかと思うくらいです。」――ジョルジュ・ルオー

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第一次世界大戦100年 ケーテ・コルヴィッツとジョルジュ・ルオー展

会期=
【前期】2014年6月11日(水)~7月14日(月)※ケーテを中心に展示
【後期】2014年7月16日(水)~9月 1日(月)※ルオーを中心に展示

開館時間=9時30分~17時 火曜休館
入館料=大人700(630)円 中高生600(540)円 小学生300(200)円
   ※(  )内は20名以上の団体料金

丸木位里・丸木俊の「沖縄戦の図」(常設展示)もあわせてごらんいただけます。

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第一次世界大戦(1914-1918)で、機関銃、毒ガス、戦車が出現し、人びとの生活すべてを国家のための戦争に費やす総力戦が行われるようになりました。それは大量の人間に死をもたらす戦争の時代の始まりでした。あれから100年。いまだに世界中で戦争は続いています。「国家のための戦争はやむを得ない」という思想は少しも変わっていないのではないでしょうか。もし今度、大量破壊兵器が使用される戦争が発生したら、人類は絶滅するのかもしれません。
ケーテ・コルヴィッツ(1867-1945)は、第一次世界大戦で息子を、第二次世界大戦で孫を失いました。ヒトラー政権下では「退廃芸術」とされすべての制作と発表を禁止されてしまいました。しかし彼女はそれでも制作をやめませんでした。ナチスによるファシズム支配のなか、亡命もせず、女性の悲惨と嘆きを通して戦争を描き続けました。
熱心なカトリック教徒であったジョルジュ・ルオー(1871-1958)は、道化師や娼婦、裁判官や安逸を貪るブルジョア、学者や聖職者をその本質をえぐり出すように怒りを込めて仮借なく描いていきます。しかし、ある頃からその怒りをこえて、戦争をやめない人間の世界に対してキリストの世界を並存させる形で「ミセレーレ」を完成しました。「ミセレーレ」は、第一次世界大戦に衝撃を受けたルオーが、人間の愚かさと苦悩、そして希望を描いた作品です。ルオーは「二〇世紀最大の宗教画家」と言われている画家です。
100年前、第一次世界大戦の時代を体験したケーテ・コルヴィッツとジョルジュ・ルオーの目を通して人間と戦争について考えて見たいと思います。
佐喜眞道夫

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