佐喜眞美術館

Sakima Art Museum

アートで平和をつくる――沖縄・佐喜眞美術館の軌跡 (岩波ブックレット)

アートで平和をつくる――沖縄・佐喜眞美術館の軌跡
岩波ブックレット No.904
佐喜眞 道夫 (著)
72ページ 2014年7月発行
本体価格713円(送料80円・メール便)
※ご注文はFAX・メールで当館まで。

■目次
1 熊本の少年時代
熊本への疎開/佐喜眞家の養子になる運命/母の死と仏教/軍政下の沖縄
2 学生運動から鍼灸師へ
立正大学へ/東京で経験した「沖縄差別」/学生運動/鍼灸師の道を選ぶ
3 軍用地代を使ったコレクション
軍用地主になる/絵画コレクションのスタート/上野誠、ケーテ・コルヴィッツ、ジョルジュ・ルオー、草間彌生
4 丸木夫妻との出会い
お二人の講演会へ/丸木家の「場」/丸木位里さん、俊さんと親鸞の思想/「沖縄戦の図」との出会い
5 「沖縄戦の図」を沖縄に
「沖縄戦の図」を沖縄に置きたい/私が美術館をつくる!/「心の緑陰」としての美術館/沖縄の歴史と風土を取り込んだ美術館を/土地返還のための闘い
6 「もの想う空間」として
美術館の完成/アートで心を整える空間/美術館の開館/修学旅行生の到来/アートで平和をつくる
「沖縄戦の図」について――修学旅行生への説明

■著者プロフィール
佐喜眞道夫(さきま・みちお)
1946年,家族が疎開した熊本県甲佐町で出生.高校卒業まで熊本で過ごす.高校時代,真宗寺(熊本市健軍)の仏教青年会に参加.1974年,立正大学大学院文学研究科史学専攻を修了.1975年,絵のコレクションをはじめる.1979年,関東鍼灸専門学校を卒業.鍼灸院を開業(千葉・東京).1984年4月,「沖縄戦の図」を描いた丸木位里・丸木俊と出会う.1994年11月23日,佐喜眞美術館を開館(沖縄・宜野湾市).1995年,国連出版の『世界の平和博物館』に佐喜眞美術館が収録される.2011年,第33回琉球新報活動賞を受賞.

■岩波書店編集部からのメッセージ
沖縄県宜野湾市にある佐喜眞美術館をご存じでしょうか.初めて訪れた方は普天間基地に食い込むようにして建っているその立地に驚かれると思いますが,それもそのはず,この美術館は,著者が普天間基地として接収されていた先祖の土地を米軍から取り戻して建てたものなのです.モダンでシンプルな建築が魅力的なこの美術館に足を踏み入れてみると,そのコレクションにも強い印象を受けることと思います.巨大な「沖縄戦の図」をはじめとする丸木位里・丸木俊の沖縄戦の連作や,貧しい人びとを描いたドイツの版画家・彫刻家のケーテ・コルヴィッツ,長崎の原爆を描いた木版画家の上野誠,そして深い精神性のある宗教画を描いたジョルジュ・ルオーらの作品が並びます.コレクションに貫かれているのは戦争への強い憤りと,戦争で犠牲になる社会で一番弱い人びとへの共感です.
本書では,この美術館が建てられるようになった経緯が,著者の生い立ちにさかのぼって語られます.この一つの物語を通して,戦後沖縄の歩みが見えてきます.作品のカラー図版を多数入れましたが,本書を手にとられたら,次はぜひ美術館に足を運んで作品を直に見ていただければ,と思います.

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