沖縄の美術館で「生と死」「苦悩と救済」「人間と戦争」を想う

展覧会

内田あぐり 在 Existence展

【会期】2022年9月16日(金)〜11月13日(日)

内田あぐり 在 Existence展チラシ【PDF:126KB】
※ちらしの丸木俊の生年に誤りがありました。正しくは(1912-2000)です

内田あぐり 略歴【PDF:5.7MB】

 現代日本画を代表する内田あぐり(1949年- )は、今日まで一貫して「身体」をテーマに絵画における人間の 存在という、根源的で深遠な問題に向き合ってきました。古典的な日本画技法や素材を研究し、深めながらもそれ にとらわれず、先鋭的な日本画表現に果敢に挑戦し、その可能性を拓き続けています。2018 年からは「沖縄・久 高島キッズアートプロジェクト」を沖縄の友人たちと開催し、美術専門の教員がいない地域の子どもたちに日本画絵 具で表現する楽しさ、豊かさをワークショップで伝えています(コロナ感染予防のため現在は中断)。2019年の8月‐12月、武蔵野美術大学国内研修員として那覇市・久高島に滞在しています。
 佐喜眞美術館常設展示《沖縄戦の図》(1984 年)を描いた丸木位里(1901-1995)・丸木俊(1911-2000) は、1950年代初期の《原爆の図》から一貫して「人間の存在」という根源的なテーマを描き続けました。その表現 は、伝統的な水墨技法を基調としながらも、東洋画・西洋画のゆるぎない技法を駆使し、深いテーマを支える大胆 かつ繊細な絵画表現は、時代を超えて普遍的なものとなり観る者を圧倒します。
本展では、横が6メートルに及ぶ新作と、近年の日本画を中心に、人間像を描いた初期作品、内田作品の源泉で ある傑出した素描力のドローイング、版画、彫刻で構成します。沖縄では触れる機会の少ない日本画の、またその 枠を超えた絵画表現の魅力を紹介します。
以前から丸木位里・丸木俊の作品表現に強く魅かれ、特に《〈沖縄戦の図〉》の素材・技法研究を通して「近現代 日本画表現の中で、これほどまでに赤裸々な人体表現と内面性をえぐるように追求した作品は他に見ることはでき ない」と言うほど、丸木夫妻の共同制作への思いを深めたという内田あぐり。内田の身体表現と丸木夫妻の人間表 現は、共鳴しあいながら深化したうねりとなり、人間の存在が希薄となる現代社会を生きる私たちに「在 existence」とは何かを深く問います。


助成:公益財団法人 野村財団、公益財団法人 朝日新聞文化財団、公益財団法人 三菱UFJ信託地域文化財団、公益財団法人花王芸術・科学財団

協力:財団法人 原爆の図丸木美術館

後援:沖縄タイムス社、琉球新報社、琉球放送株式会社、沖縄テレビ放送、琉球朝日放送株式会社、NHK沖縄放送局




会期中のイベント

内田あぐり アーティストトークと対談

・日時:2022年9月18日(日) 13:30-16:00(定員40名)



ワークショップ「舞踏ドローイング」

・日時:2022年9月19日(月・祝日) 14:00-16:30(途中休憩あり)



クロージング・トーク「表現のこれからー沖縄の地で考える」

・日時:2022年11月12日(土) 14:00-16:00(定員40名)

内田あぐり 在 Existence展

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