佐喜眞美術館

Sakima Art Museum

在沖縄のコレクションから ネルソン・ドミンゲス展

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在沖縄のコレクションから ネルソン・ドミンゲス展

会期=2013年8月28日(水)~2013年9月23日(月)

開館時間=9時30分~17時 火曜休館
入館料=大人700(630)円 中高生600(540)円 小学生300(200)円
   ※(  )内は20名以上の団体料金
常設の『沖縄戦の図』もあわせてご鑑賞いただけます。

【同時開催】佐喜眞コレクションより、利根山光人、深澤幸雄、北川民次、エドワルド・ロカ・チョコの作品も展示しています。

キューバの大地・風・心

兼城淳子(NPO法人 奥間川流域保護基金会員、元高校教師)

 私は2009年4月、やんばるの自然保護活動をしている仲間たちと初めてキューバを訪れた。ハバナから飛行機で30分ほどの「青年の島」に住む沖縄移民3世の方のお宅に泊めてもらった。朝、鶏の鳴き声で目を覚ました。早朝の風景を写真に撮ろうと外に出たら、男の人が短パン姿で路地を掃いていた。箒を手にニコニコと挨拶を返す姿に、私の亡き父が重なった。幸せな気分で大通りに出ると、通勤通学の風景に出会った。制服姿の低学年の子供たちの横にはしっかりと大人たちの姿があり、看護婦さんたちが連れ立って歩いている。国営の古いトラックに乗って仕事に向かう人たちの笑顔は朝日に輝いていた。朝、嬉しそうに職場に向かう人々の日常はきっと穏やかなのだろう。私は何やら懐かしい気持ちになるのだった。8日間の滞在で、私はすっかりキューバに魅せられてしまった。
 それから1年後の2010年4月、2度目のキューバの旅が実現した。私は一人で自由に気楽に歩き回った。距離のあるところへは人力自転車やタクシーを利用したが不安や危険は全く感じなかった。私はスペイン語はグラシアス(ありがとう)の一語しか知らないが、それで十分だった。生活の場を撮るときは必ず許可をもらったが、一度も拒否されなかった。住居や教室、病院にも気軽に出入りできた。もう少し警戒してもいいのではないかと思うほど開放的だった。
 その年の12月、那覇市民ギャラリーで「私が見たキューバの素顔」写真展を開催した。また翌年にはやんばるを、翌々年には沖縄の闘いを撮った写真展をした。プロではない私が人生の晩年になって連続3回も写真展を開催できたのは、キューバと出会い、元気をもらったからである。1959年にアメリカの傀儡政権を倒し、植民地支配からの独立を勝ち取った革命政府は、医療と教育の無償を制度化し、人種差別のない国を自分たちの力で作り、今も守り続けている。
 今回、佐喜眞美術館でキューバの美術家ネルソン・ドミンゲスさんの展覧会が開催されると聞き、とても喜んでいる。芸術作品には、作家の生きた歴史文化や時代背景が色濃くにじみでるものである。ネルソンさんの作品からたくさんのキューバの大地・風・心を感じとりたいと思う。そして、できるだけ多くの人が本展を見てくださり、沖縄と自然や地理的・歴史的環境が似ている、もう一つの世界であるキューバに関心を持っていただけたらと思うのである。

※兼城淳子さんの撮った「キューバ」の写真展を佐喜眞美術館・喫茶室で同時開催しています。

ネルソン・ドミンゲス 略歴

1947 サンティアゴ・デ・クーバに生まれる
1970-85 国立芸術学校絵画教授、芸術学院(ISA)絵画学科主任教授、同学院版画学科教授会総長キューバ作家芸術家同盟(UNEAC)、国際造形作家協会(AIAP)メンバー文化勲章、アレホ・カルペンティエル勲章受賞

〈主要受賞歴〉
1972 カンヌ国際絵画フェスティバル ナショナル賞受賞(フランス)
1974 「第4回全国青年美術サロン」入賞(キューバ)
1975 「7.25コンクール」美術部門入賞(キューバ)
1976 「チェコスロバキア ビエンナーレ」大賞(チェコスロバキア)
「ブルガリア トリエンナーレ」絵画部門受賞(ブルガリア)
1980 「第1回ヴィクトル・マヌエル版画トリエンナーレ」入賞(キューバ)
1984 「第1回ハバナ・ビエンナーレ」入賞(キューバ)
1985 「第1回国際版画展」栄誉賞受賞(エクアドル)
1986 「第2回ハバナ・ビエンナーレ」特別賞受賞(キューバ)
1989 「ハイメグアシュ・バルセローナビエンナーレ」入賞(スペイン)
1991 「グラフィック・ビエンナーレ」一等賞入賞(インド)
1995 「第9回サンファン版画ビエンナーレ」名誉賞受賞(プエルトリコ)
1996 「第16回天理ビエンナーレ」道友社賞受賞(日本)
「第6回大阪国際現代造形コンクール 大阪トリエンナーレ96絵画部門」入選(日本)

〈日本での主な個展・グループ展〉
1992 「日本美術会展」参加(京都市美術館)
1993 個展(プロモ・アルテギャラリー、スパークギャラリー)
1994 個展(第3回国際コンテンポラリーアートフェアNICAF)
個展(プロモ・アルテギャラリー)
1995 個展(ギャラリー悠玄)
個展(ギャラリー清水)
個展(第4回国際コンテンポラリーアートフェアNICAF)
1996 個展(プロモ・アルテギャラリー)
グループ展「第16回天理ビエンナーレ」(大阪市立美術館、福岡県立美術館、北トピア)
グループ展「大阪トリエンナーレ絵画展」(マイドーム大阪)
1997 個展(第5回国際コンテンポラリーアートフェアNICAF)
1998 「キューバ現代美術展 Cubartex’98」移民100周年記念事業(沖縄、東京、福島巡回)
2人展「ネルソン・ドミンゲス+エドワルド・ロカ」(プロモ・アルテギャラリー、東京)
グループ展「8.15国際平和美術展」世界文藝社(広島県立美術館)
1999 個展「ネルソン・ドミンゲス―カリブの神話と形象の世界」、ミウラートヴィレッジ(三浦美術館、愛媛)
個展(プロモ・アルテギャラリー、東京)
個展(ギャラリーアコスタージュ、香川)
個展(星ヶ丘アートヴィレッヂ、高知)
個展(画廊サエラ、沖縄)
個展(ジャパン・アートフォーラム、京都)
個展(ギャラリーアイ、福島)
グループ展「キューバ現代美術展」、CAI現代芸術研究所ギャラリー(北海道)
2000 グループ展「第2回式典―睦月―」アートサロンアクロス(東京)
※略歴は「21世紀アートの焦点 アフロ・キューバ美術の世界」展(2001年・福岡)図録を参考に作成しました。

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